帽子とコンプレックス

染矢敦子Photo

最近のコンサートでは帽子をかぶっています。
帽子は、私にとって特別な意味があります。



帽子との出会いはもう20年以上前になります。帽子の作家さんの作った、この帽子に一目惚れしたんです。 

染矢敦子Photo

でも、この帽子をかぶれるようになったのは最近。何か言われるんじゃないかと怖くて、かぶれなかったんです。
こういうのやめたら、こういうのにしたら。行動や服装、表情など、私は人に言われやすいタイプでした。ブスとか気持ち悪いとか暗いとかも言われてきたんですよね。
自分のことが好きではなく、自分の選択にも自信がなく、おどおどしていたから、私は言われやすかったんだと今では思います。
大好きで買った洋服も「なにそれ、似合わんね」と言われて捨てたことがあります。
でも、この帽子は20年以上、大切に持っていました。そして、かぶれないのに、帽子は少しずつ増えていました。

2010年より「いのちのコンサート」をあちこちでさせて頂くようになって、自分を大切にすることで膨らむ幸せのお話をたくさんしています。特に昨年は小中学校でのコンサートが増え「人の目を気にしてしまう」という子ども達やお母さんや先生の悩みをいくつも聞きました。そうなんだ、同じ。私も人の目を気にして生きてきました。
でも最近、あまり気にしなくなってきています。気にしなくなると、言われなくなるものです。おもしろいですね。どうして人の目を気にしなくなってきたかというのは、コンサートの中で話しているのですが、ふと気づいたんです。

あれ、帽子は、、、まだかぶれてないなあ。たま〜に数年に一回ぐらいはかぶってましたが、いのちのコンサートでは全然かぶれなかったんです。いのちのコンサートは、学校や公民館や市や県のイベントなので、帽子なんて無礼だと言われるんじゃないかと思って怖くてかぶれなかったんです。いのちのコンサートが広がる前、子ども達にいのちのメッセージを届けたくて、自分からあちこちに出向いてお願いしていたのですが、「歌なんか」という反応をたくさんされて、なんだか変な思考になってしまっていたんですね。

私は今、歌で楽しんでもらいながら、明るく楽しく、いのちのメッセージを届けたいと思っています。そしてそれを喜んで下さる方々が増えています。それなら帽子いいですよね、ワクワクする帽子をかぶって、ちょっと日常から離れた気分になって楽しんでもらえたらいいですよね。

人の目より、自分の好きを大切にする。
私にとって、帽子がその証♪

2018年10月10日ある小学校、いのちのコンサートで私は初めて帽子をかぶりました。ほんのちょっと前、まだ三ヶ月ですね(笑)その日、帽子はとっても好評で、人の目を気にしない証としてのお話も反響がありました。

人に何か言われないように、目立たないように、恐る恐る…もうそういうのはいいですね。その経験から語れることがあるから、その時期もオッケーです。「帽子かわいいでしょ〜」と言っても無反応で心が凍りそうになるコンサートもありますが(笑)見えるものだけがすべてじゃない。あとから、こっそり「帽子かわいい」と恥ずかしそうに伝えてくれる子がいたりします。4つの中学校を続けてコンサートした時、ずっとついてくれていた市の職員の方に「次は何色の帽子かな」と言われ、すっごくすっごく嬉しかったことがあります。

見て楽しい。そして帽子と私のコンプレックスの話が、誰かを励ませたらいいなと思うんです。いのちのコンサートで言ってること「まず自分の気持ちを感じよう」私は大好きな帽子をかぶる、最初はものすごく勇気がいったよ。あなたも、大好きを選んでみてね♪♪ 

猫ちゃん帽子

このネコちゃんの帽子は、前から好きで、いつかほしいなと思っていた帽子のショップで買いました。「帽子をかぶってコンサートをする」と決めてすぐ福岡で秋冬物の受注会があったんです。すごいタイミングです。決意が揺らがないように。
そして、やっと好きな帽子をかぶれるようになった自分への‘おめでとう’に♪